子どもの教育資金のためにジュニアNISAを始めたい方も多いでしょう。運用資金はあくまでも口座名義にある子ども本人ですが、お金自体は名義人の親や祖父母からもらう形が通例です。
ジュニアNISAには通常のNISAとは違った性質があるので、運用前のルールやメリット、デメリットなどを学びましょう。今回は加入を考えている方のために、ジュニアNISAの基本的な知識を紹介します。
目次
ジュニアNISAを始めたい方へのMY BEST CHOICE
編集部が選ぶMY BEST CHOICEは、SBI証券です。
株やETF、投資信託などで取引手数料が無料になっています。余分なコストを気にしないで運用を進められるので、金銭的なプレッシャーが軽いといえます。
ジュニアNISAプログラムで投資信託を買いつけるなら、100円からスタート可能です。資金力に自信がないユーザーでも始めやすいしくみでしょう。手数料の安さや参入のしやすさという理由で、SBI証券はジュニアNISAに理想的です。
ジュニアNISAの概要
ジュニアNISAの基本的な概要として、以下の表を確かめてください。
利用可能な人 | 日本在住の0歳~19歳(口座開設年の1月1日時点で) |
---|---|
非課税対象 | 株式が投資信託などからもらえる配当金が分配金、譲渡益 |
口座開設可能数 | 1人1口座 |
非課税期間 | 最長5年間 |
非課税投資枠 | 新規投資額の毎年80万円まで |
投資可能期間 | 2016年~2023年 |
運用管理者 | 口座名義にある本人の二親等以内の親族(本人から見た両親や祖父母など) |
払出し | 18歳まで制限あり |
ジュニアNISAは2016年1月から始まった少額投資による未成年者向け非課税制度です。基本的に未成年者が対象となり、新規投資額にして毎年80万円まで、最長5年間の非課税枠が設けられています。
投資対象は国内外の株式だけでなく、投資信託、ETFも含む形です。ジュニアNISAへの参入開始をきっかけに、資産運用だけでなく社会的な勉強のきっかけもつかめるでしょう。ただし口座開設者の名義人が18歳未満だと払い出し制限を受けるなど、注意点もあります。
子どもの教育資金のように、将来のために資産を増やしたいご家族にはおすすめです。
ジュニアNISAのしくみ
ジュニアNISAの基本的なしくみをまとめました。利用可能な方や非課税対象、払い出しなどさまざまな条件があります。ポイント別に紹介するので、以下をご覧ください。
ジュニアNISAが利用できる人
ジュニアNISAを利用できるのは、日本在住で、開設年の1月1日時点において19歳以下の方です。子ども向けの資産運用プログラムなので、口座名義の本人が19歳以下でなければなりません。親自身の口座だと通常のNISAや、つみたてNISAしか使えないので要注意です。
口座の運用や管理は、親権者をはじめとした二親等以内の親族が本人に代わって進めます。子どもはお金に詳しくないケースがほとんどなので、使い込みによる生活への影響は避けたいところです。以上を踏まえて直接の口座管理は親や祖父母などが望ましいとされます。
成人年齢引き下げにより、2023年1月1日以降は17歳以下に対象が引き下げられます。2022年4月に成人年齢が18歳以上になるからです。この点も踏まえながらジュニアNISA加入条件を確かめておきましょう。
ジュニアNISAの非課税対象
ジュニアNISAの非課税対象は最長5年で、1年につき新規投資額の80万円までです。上限枠を超えないように、冷静に管理しましょう。
1年の間なら、80万円をどのように使っても大丈夫です。ジュニアNISAの投資方法に具体的な制限は設けられていません。例えば1月に10万円、3月に20万円というように、1年の間なら80万円以内を複数回に分けて使ってもよいのです。また80万円を全額使い切る義務もありません。
ただし新規投資額の上限枠いっぱいまで使わなかったとしても、残りを翌年に持ち越せないので注意しましょう。例えばある年に60万円しか使わなかった場合も、翌年に20万円分が持ち越され、非課税枠が100万円に広がることはありません。
以上のようにジュニアNISAの非課税枠には決まったルールが設けられています。
ジュニアNISAの払い出し
ジュニアNISAの払い出しは、18歳になるまでは制限を受けます。具体的には口座名義の本人が18歳になる前年の12月末まで、お金を引き出せません。子どもの未来に向けた資産形成を目的としているからです。
急にお金が必要になったからといっても、ジュニアNISAの口座からお金は引き出せません。投資によって口座内の資金は増やせても、名義人が18歳になるまでは1円も払い出せないしくみです。そのため加入や投資は慎重に考えたうえで進めましょう。
このようにジュニアNISAは、子どもが大人になったときの金銭的な備えを目的としているため、払い出しに厳密なルールが定められています。
ジュニアNISAの運営管理者
ジュニアNISAの口座を運営・管理するのは、親権者や祖父母が基本です。口座名義の本人から見た二親等以内の親族が原則になります。一般的には本人から見た親が口座管理を務める形です。
ただし金融機関によって運用管理できる方の範囲が異なるケースもあります。念のため事前に金融機関のジュニアNISAに関するマニュアルをチェックしましょう。管理の仕方でわからないことは口座開設先の金融機関へ早めに相談することが重要です。
ジュニアNISAの口座開設方法について
ジュニアの口座を開くには、未成年口座を要します。また親権者も事前に口座開設先の総合取引口座を開いてください。基本的には未成年口座とジュニアNISAの同時申請です。手続きが済んだら、未成年口座開設とともに、ジュニアNISAも始められます。
必要書類には世帯全員の住民票を求められるなど、通常のNISAとは違ったやり方も求められます。そのためジュニアNISAの口座開設については、申請先の金融機関のにおける該当マニュアルを確かめましょう。
楽天証券でジュニアNISA口座を開設するには、まず登録親権者の総合口座に紐付けた未成年口座の開設が必要となります。
引用元:楽天証券「ジュニアNISA口座開設に必要な手続きや、書類を教えてください」
ジュニアNISA口座を開設する際には、以下の書類が必要になります。
・口座名義人(未成年)、登録親権者の本人確認書類
・口座名義人のマイナンバーが確認できる書類
・登録親権者の代理権(親権)が確認できる書類
ジュニアNISAのメリット
年間80万円は非課税
ジュニアNISAでは年間80万円に対して非課税です。これによりジュニアNISAの口座に入っているお金に対しては、条件つきで税負担が軽くなります。確定申告時の余分な負担を減らせるのがメリットです。
非課税制度の結果、ご家族としては税金対策になります。従来親が子どもに与えたお金は贈与税の対象になりますし、その場合与えられた側は30歳まで使い切るなどの条件をともないます。与えられたお金を使わずして税金だけがかさむのはもったいないでしょう。
しかしジュニアNISAでは贈与税対策になります。0歳名義でも年間80万円以内なら、無条件で資金提供ができるからです。5年間運用を続ければ、その間に400万円の資金を与えられます。
投資の視点から見ても、ジュニアNISAはお得です。運用益も非課税になります。通常の投資だと基本的に20万円以上の利益を出した場合、それに対する課税を受けます。ただしジュニアNISAは運用益に税金がかかりません。年間80万円以内の投資の結果で生まれた利益に対しては課税の対象外です。
以上からジュニアNISAは税金の面からお得に感じられます。子どもの教育資金のために親が通常のNISAに加入するよりも、ジュニアNISAに入るほうが合理的です。税制優遇のメリットを考慮して加入を検討しましょう。
子どもに投資教育のきっかけを与えられる
ジュニアNISAによって子どもに投資教育のきっかけを与えられます。この口座の名義は子どものものですが、管理するのは基本的に保護者です。その結果、ご家族で資産運用を進めることになり、お金を身近に考えられるでしょう。
ジュニアNISAの運用期間終了時に、口座名義の本人が20歳に達していれば、成人向けとして通常のNISA用の口座が開かれます。成人した子どもは自身の意志で株式投資や投資信託を購入できるため、若いうちから資産運用の機会を得られます。
子どもが大人になった時点で、投資用の口座があるのは社会的なメリットです。日本の教育ではお金や投資のあり方を教える機会は少ないとされます。しかし家庭で投資が身近になれば、子どもは投資を通してお金や社会のあり方を学べるでしょう。
このようにジュニアNISAは子どもに金融リテラシーを与えるきっかけになります。口座を廃止して、残高をすべて現金に替えることも可能です。しかし口座を残すことで子どもが直接投資に関わり、経済的な視野を広げられるほうが、人生にも好影響でしょう。
以上からジュニアNISAは、ご家族全員でお金を考えるよい機会です。ただ教育目的で資産を増やすだけでなく、子どもにお金の知識を与えるきっかけを与えられます。子どもに立派な社会人になってほしいと願う意味でも、ジュニアNISAは選択肢の一つとなりえるでしょう。
2023年の制度終了後も非課税でロールオーバーができる
ジュニアNISAは2023年を過ぎると制度運用期間が終わります。しかし終わったあとも必要な手続きを済ませれば、非課税でロールオーバーが可能です。
ロールオーバーとは、非課税期間が終わる翌年以降も、非課税枠に移行できる制度です。年間の非課税枠を実際の投資額が超えていても、すべて残らずロールオーバーできます。2023年を過ぎてもジュニアNISAを使い続ける方には助かるでしょう。
また継続管理勘定として、ジュニアNISA用口座の名義人が20歳になったときも、引き続き運用商品を持ち続けられます。ジュニアNISAで株や投資信託を運用中に20歳を迎えても、継続管理勘定のおかげで手放す必要がありません。
一方でジュニアNISA口座名義人は、20歳を迎えれば通常のNISA口座を開設することができます。このときジュニアNISAにあった商品は、新規開設した方にロールオーバーが可能です。口座が変わったからといって、いったん商品を手放す手間がありません。
ロールオーバーには所定の手続きが必要ですが、効率的に運用中の商品を引き継ぐ意味では有用です。制度運用期間が終了したら、継続管理勘定とともに役立てましょう。
貯蓄しながら運用でき、教育資金ができる
ジュニアNISAに加入すれば、教育資金を蓄えることができます。加えて貯蓄しながらの資産運用も可能です。年間80万円までを対象とした非課税制度と相まって、効率的な資産形成を望めるでしょう。
教育資金を作りやすくなる理由として、年間80万円の非課税投資枠が5年続くことが挙げられます。実際に5年間運用を続けた場合は、合計400万円までの非課税運用が可能です。ただし年間80万円いっぱい使わなかった場合、翌年に余った枠は持ち越せないので注意しましょう。
また、ジュニアNISAは口座名義人である子どもが18歳になる年の前年までは、お金を引き出せません。しかし裏を返せば、無駄づかいのリスクを避けることができます。充分にお金を貯めたうえで引き出すほうが、さまざまな使い道に対応できるでしょう。
以上からジュニアNISAは、教育資金のためにお金を押さえておく役割も果たせます。一度ジュニアNISA専用口座に入れたお金は、子どもが18歳を迎える年まで引き出せないからです。この性質を利用して、大学や留学資金を堅実に貯められるでしょう。
ジュニアNISAのデメリット
損益通算ができない
ジュニアNISAのデメリットとして、損益通算ができないことが挙げられます。これは後述の元本割れの可能性と合わせて、気をつけていただきたい問題です。損失が生じたからといって、ほかの口座の利益と合わせられません。
例えばほかの口座で100万円の利益がありながら、ジュニアNISAで30万円の損失があったとします。この場合、2つ合わせて70万円の利益として、課税計算できません。ジュニアNISAの利益や損失に関係なく、それ以外の口座の100万円の利益に丸ごと課税されます。
ただし課税ジュニアNISA口座なら、特定や一般の口座と損益通算しながら確定申告可能です。これは通常のジュニアNISA口座とあわせて開設されることが多く、年間80万円のような制限なしで投資できます。課税か非課税かによって、ジュニアNISA口座の損益通算の有無が変わるのです。
元本割れの可能性がある
ジュニアNISAでは元本割れのリスクに注意しましょう。定期預金のように元本保証がないからです。投資した分の一部が返ってこなくて、結果がマイナスになる可能性もあります。
投資である以上、損失が出る可能性は仕方ありません。投資先は主に株式や投資信託です。しかし株式の価格は上がることもあれば下がることもあります。投資信託でもプロのファンドマネージャーの結果が振るわなければ、投資分よりリターンが少ない可能性に注意です。
損失を最小限に抑えるには分散投資も考えてください。一つの銘柄や投資信託プログラムに特化するのではなく、複数に同じ額を分けながら投資を進める形です。ジュニアNISAでも、うまくいかない可能性を考えながら運用しなければなりません。
ジュニアNISAから途中引き出しは課税対象になる
ジュニアNISAから途中引き出しをした場合、課税対象となることに注意しましょう。具体的には18歳未満の段階で出金したり、口座廃止をしたりすると、そのときの売却益や配当について確定申告をしなければなりません。
以上からジュニアNISAでは実質的に18歳になるまでは、お金の引き出しを認められていません。例えば0歳から開設した場合は、少なくとも18年間は投資したお金は入れっぱなしになります。
本来のジュニアNISAでは年間80万円の投資分までは非課税ですが、途中引き出しによってそのメリットがなくなってしまいます。加入前は長期的な運用が可能かに加え、余剰資金だけでの投資や、残高のコントロールが可能かにも注意しましょう。
しかし例外もあります。災害などでやむをえずお金が必要となった場合は、非課税で引き出せるケースがあります。このときは税務署からの承認を要します。それ以外は原則としてジュニアNISAからの出金に厳格な条件がともなうしくみです。
子どもの教育用の資産を作ることが目的なので、好きなタイミングで引き出せないようになっています。生活全体を考えながら、投資を計画的に進めてください。
金融機関の変更ができない
ジュニアNISAでは金融機関の変更ができません。従来のNISAと違うので、加入前は要注意です。また、口座廃止によって売却益や配当が課税を受ける点にも気をつけましょう。
本来のNISAなら年一回だけ金融機関を変えても問題ありません。最初の加入先が自身に合わなかった場合は、そこに開いた口座を廃止し、実質的に別の金融機関に乗り換えられます。このように失敗してもやり直しが利く形です。
しかしジュニアNISAでは、以上のような融通が利きません。口座廃止によって売却益や配当が課税を受けるからです。年間80万円の投資上限枠に対する非課税制度が無効になります。そのため金融機関選びで失敗すると、余計な手間とコストがかかります。
金融機関選びで失敗しないためには、複数の金融機関を比較、検討しましょう。画面の見やすさや手数料、サポート体制の充実などから、使いやすそうな一ヵ所を決めてください。慎重に比較検討することで、ジュニアNISAにふさわしい金融機関がわかることでしょう。
ジュニアNISAを始めるなら、金融機関選びから計画的に進めなければなりません。選定に失敗すると乗り換えが必要になり、余分な手間とコストがかかるからです。サービス内容が金融機関によって異なるので、複数を比べながら慎重に決めましょう。
投資商品のリバランスが難しい
ジュニアNISAは投資商品のリバランスが難しいといえます。投資商品の売却により生まれた空き枠を再利用できないからです。非課税枠を上限いっぱいに使ったあとで、商品の選定に後悔しないようにしましょう。
ジュニアNISAでは、非課税枠として1年間に80万円しか使えません。例えばその年に80万円を投資したあと、20万円で買った金融商品を売り払ったとします。非課税枠の範囲内では、そのあとで別の金融商品を買えません。このように上限枠がついたプログラムは、資金配分がカギをにぎります。
購入した金融商品の値動きがよくなくて、買ったときより安く売った場合、そのフォローが難しいでしょう。上限枠をいっぱい使ったあとから、よりよい金融商品が見つかっても、次の年まで我慢を強いられるからです。
投資商品の選定の失敗を防ぐには、リバランス機能つきの商品を選びましょう。ファンド自体に資金配分や商品選定を自動で変えてくれる機能があれば、損失リスクのコントロールが可能です。投資に慣れないうちは、リバランス機能つきにこだわるのが現実的です。
ジュニアNISAのように年間で使える金額を制限しなければならない場合、商品選びを慎重に進めなければなりません。上限枠いっぱいに使ったあとで後悔しない対策として、リバランス機能つきの商品も選択肢になります。
決められた商品でないと非課税にならない
ジュニアNISAでは非課税対象の商品が限られています。ルールを知らずに商品を選んでいると、利益に対して課税を受けることもあります。事前に非課税対象の商品をチェックしてから、投資計画を作りましょう。
非課税対象になるものとならないものを、以下の表にわけるので、加入前に確かめてください。
非課税対象 | 該当商品 |
---|---|
なる | 国内・海外株、国内・海外ETF、投資信託、ETN |
ならない | 債券、公社債投資信託、MMF・MRF、eワラント、FX、非上場株式 |
注)購入できる金融商品は、金融機関によって異なりますので、口座を開設する金融機関にお問い合わせください。
本的には国内外の株やETF、投資信託などは非課税対象です。以上から出た配当金や譲渡益は非課税なので、節税対策になるでしょう。通常の投資ではこうしたものに対し、20.315%の税金がかかりますが、ジュニアNISAなら対象外になります。
一方で債券やFX、非常上場株式などは課税対象です。これらはジュニアNISA対象外の金融商品になります。特にFXは金融業界で人気が高いうえ、NISAを扱うネット証券でも見かけるでしょう。ジュニアNISAプログラムではうっかり手を出さないように注意が必要です。
ジュニアNISAに入ると決めたら、株や投資信託、ETFでの運用を決め込むのが無難です。どうしても上記以外の商品に興味が出た場合は、別口座での運用を考えましょう。
早く始めたほうがいい理由とは
2022年1月時点で、ジュニアNISAは早く始めたほうがよいでしょう。投資可能期間と節税対策の面から、ジュニアNISAを早く始めるべき理由をまとめました。
2023年でジュニアNISAの運用は終了する
2023年になるとジュニアNISAが運用終了を迎えます。ただし制度が終わる時点で18歳を迎えていない場合は、2024年以降に最長5年の非課税期間を終えた金融商品の、ロールオーバーが可能です。
制度終了が迫っているため、ジュニアNISAを使えるチャンスはもう限られています。今加入しなければ非課税などの恩恵も少なくなるでしょう。子どもの教育資金などの目的で資産運用を考えているなら、早めの決断が重要です。
ジュニアNISAの制度終了時点で保有している金融商品は、継続管理勘定で持ち続け、売却できます。ただし同制度で終了後の新規買付はできません。2022年の時点でジュニアNISAを考えているなら、早めの決断を要します。
節税対策になる
ジュニアNISAの大きなメリットは非課税枠の存在です。1年間で80万円が上限ですが、それでも課税の対象外を認められているのは大きいでしょう。これを利用してお得な資産運用が可能です。
非課税期間は5年ですが、少しでも早く投資を始め、上限枠を最大限活用すれば、資産運用を有利に進められるでしょう。毎年80万円までの掛金が非課税対象になります。総額80万円以内で買った株式や投資信託を対象に、そこから生まれた譲渡益や分配金、配当金にも税金がかかりません。
以上から子どもの教育資金も課税を受けない状態で準備できます。最長5年にわたり投資を続ければ、400万円までが非課税で運用可能です。そこから利益が生まれれば、教育に使える資金も大きくなるでしょう。効率的な資産運用により、子どもの将来が豊かになるかもしれません。
2023年、ジュニアNISA廃止後の制度
2023年のジュニアNISA廃止後は、新しいNISA制度が始まります。それにともないジュニアNISAの扱いが変わる点に気をつけてください。終了後のルールを、以下のようにまとめました。
新規投資は2023年末まで
ジュニアNISAにおける新規投資は、2023年末までしかできません。制度自体が終わることで、新規口座開設も新しい買いつけも不可能になるからです。これから加入する場合は、2023年末までに手続きを済ませなければならず、新規買いつけの期間も限られる点に注意しましょう。
2024年になっても、そのとき残っていた金融商品の運用自体は可能です。制度終了の時期に達したからといって、勝手に商品が消えたり売り払われたりする心配はありません。ただ新しい商品に興味が出ても、ジュニアNISAでは買えない点に注意です。
そのため、必要と感じた金融商品は、2023年末までに揃えましょう。2024年以降になっても社会情勢や市況が変わるので、いずれ残った金融商品も売り払うときが来ます。制度終了が近づいたら、口座内の商品を処理する計画を進めるのが賢明です。
2024年に払い出し制限がなくなる
2024年になるとジュニアNISAでは払い出し制限がなくなります。制度自体が廃止になるため、払い出しなどに対する厳格な規定は、実質的な効力を失う形です。以上から廃止後はいつでもお金を引き出せます。
本来のジュニアNISAでは、口座名義人が18歳になるまで残高を原則引き出せませんでした。しかし制度終了後に制約がなくなることで、お金を柔軟に動かしやすくなります。新規買いつけができない制約は生まれますが、引き出しの面では無制限に変わるのです。
2024年になっても最長5年間はジュニアNISAの口座が有効であり続けます。その間はペナルティ無しで残高を引き出せるので、急にお金が必要になったときも心配不要です。ジュニアNISAに一度預けたお金を柔軟に扱える点は、メリットになるかもしれません。
成人までは非課税運用が可能もロールオーバーが重要
2023年末のジュニアNISA制度終了時点で持っていた金融商品は、成人を迎えるまでは非課税で運用を続けられます。ただし成人以降になると、そうした商品はロールオーバーの手続きが重要です。
ロールオーバーとは非課税期間が終わったとき、新しい非課税口座へ金融商品を移し替えることです。こちらには口座を運営する証券会社にて、専用書面での手続きが必要になります。期間内に書面手続きを済ませましょう。
非課税期間終了にともなうロールオーバーに、時価の上限額はありません。ジュニアNISAでは投資額にして年間80万円分が非課税対象ですが、ロールオーバーでは80万円分を超えても大丈夫です。長期的な運用において、この制度は積極的に使うとよいでしょう。
2024年以降の手続きについて
2024年になったらジュニアNISAに残っていた金融商品は、ロールオーバー手続きなどで処理する必要があります。その時期を迎えるとジュニアNISAの口座としては、新規買いつけができなくなるからです。
またジュニアNISAの口座の持ち主が成人を迎えた場合は、成人向けのNISA専用口座を開設できます。この口座にジュニアNISAで持っていた金融商品をロールオーバーするケースも多くなるでしょう。
いずれにしてもジュニアNISA用の口座は制度終了後に用途が限られてしまうので、運用中の金融商品の処理が必要です。売却かロールオーバーかの決断が遅れないようにしましょう。
ジュニアNISAの運用シミュレーション
ジュニアNISAの運用シミュレーションを見ていきましょう。今回は以下の条件を例に挙げます。
出典 | 金融庁の資産運用シミュレーション |
---|---|
ジュニアNISA加入時点の子どもの年齢 | 3歳 |
運用期間 | 18歳までの15年間 |
毎月積立額 | 6万円(年間72万円) |
想定利回り | 3.0% |
以上で試してみた資産運用の結果は以下になります。
元本 | 1080万円 |
---|---|
運用収益 | 281.8万円 |
最終積立金額 | 1361万8361円 |
※2022年1月現在
このように順調なら300万円近くの利益を望めます。また以上のシミュレーションに基づきながら、5年ごとのロールオーバーを繰り返せば、掛金およびそこから出る運用益に対する課税はありません。
ジュニアNISAに限らず、投資を始めるならシミュレーションで結果を想定しつつ、現実的な運用計画を立てましょう。
各制度の違いを表で比較
ジュニアNISAは従来のNISAから派生した投資ジャンルです。ほかの派生ジャンルとしてつみたてNISAもあります。しかしジュニア版は成人向け口座と性質が異なるため、いくつかの独自のルールが採用されているのが特徴です。
まず従来のNISAは20歳以上でないと加入できません。しかしジュニアNISAは年齢に上限が設けられており、0歳〜19歳になっています。この点でNISAの子ども版という特色が強く出ているでしょう。
金融機関の変更ができなかったり、成人するまで払い出してもらえなかったりという制約もジュニアNISA特有です。通常のNISA同様にロールオーバーができたり、株や投資信託を選べたりはできます。しかし通常版にはない制約には特に注意しましょう。それではNISAの形式別のルールの違いをご覧ください。
表で早わかり!
ジュニアNISAとほかのNISAとの違いを表で見ていきましょう。
ジュニアNISA | NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|---|
加入対象 | 日本在住で0歳~19歳 | 日本在住で20歳以上 | 日本在住で20歳以上 |
主な必要書類 | マイナンバーカード | マイナンバーカード | マイナンバーカード |
取引主体者 | 原則親権者など | 本人 | 本人 |
年間非課税投資枠 | 80万円 | 120万円 | 40万円 |
最長非課税期間 | 5年 | 5年 | 20年 |
口座開設期間 | 2023年まで | 2023年まで | 2042年まで |
対象商品 | 上場株式、投資信託、ETFなど | 上場株式、投資信託、ETFなど | 一定条件を満たした投資信託など |
ロールオーバー | 可 | 可 | 不可 |
金融機関変更 | 不可 | 可 | 可 |
払出制限 | 18歳まで | なし | なし |
※2022年1月現在
ジュニアNISAは加入対象が未成年だったり、払出制限があったりなど、通常のNISAとは異なるルールがあります。加入時は事前のルールチェックが重要です。
ジュニアNISAがおすすめの人
ジュニアNISAは子どもや孫の教育資金を増やしたい方におすすめです。NISAのジュニア版自体が、将来の子どもに向けた貯蓄増加を目的としているからです。子どものためにお金を増やしたいと思ったら、ジュニア版を使うとよいでしょう。
通常のNISAなら結婚式や家を買う資金、老後に向けた貯蓄などさまざまな目的を持てます。最長5年の非課税制度や、株や投資信託などに投資できる点もジュニア版と変わりません。
一方でジュニアNISAは通常版と比べて、有用な目的が限られています。毎年80万円を上限として、最長5年間の非課税投資枠があります。税負担を軽くしながら子どもの教育資金を増やせるのが、ジュニアNISAならではのメリットです。
ジュニアNISAがおすすめできない人
ジュニアNISAに向いていないケースとして、80万円を超える金額を投資したい方が挙げられます。非課税投資枠を見ると、ジュニア版は年間80万円しか対象になりません。通常のNISAなら400万円までに広がります。
また株主優待のように、教育とは関係ない目的がある方は、子どもの有無に関わらず一般のNISAを選んだほうがよいでしょう。目当てのファンドで儲けたいだけの場合も、ジュニアNISAは向いていないかもしれません。
いずれにしても子ども以外のために資産運用したいと思った場合は、ジュニア版ではなく通常のNISAへの加入が賢明です。NISAも種類によって性質が違うため、目的によってどこに加入すべきかが変わります。
ジュニアNISA口座開設のおすすめ証券会社
ジュニアNISA専用の口座を開設するうえで、SBI証券や楽天証券、マネックス証券がおすすめです。それぞれ特徴は違いますが、投資初心者でも恩恵を受けられるポイントがあります。おすすめ証券会社3社の特徴を以下にまとめました。
条件つきで手数料無料のSBI証券
SBI証券はジュニアNISAとしても取引手数料無料の金融商品が多く、利用しやすい環境です。無駄なコストを省けるのは、資産運用の面で重要なメリットになります。子どもの教育資金を増やしたい方にとって安心材料でしょう。
SBI証券では、現行制度下において、
引用元:SBI証券「NISAの手数料について」
一般NISA・ジュニアNISAの国内株(売・買)、投資信託、および海外ETF(買)の取引手数料無料!
取引手数料無料の金融商品には国内株式や海外ETFがあります。例えばジュニアNISAを機に、国内の有名な企業の株を買いたいケースもあるでしょう。そうしたときに手数料なしで取引できるのはアドバンテージです。
海外ETFはアメリカ、中国、韓国の3ヵ国で手数料無料の対象になります。3ヵ国のうちどこかに属するファンドが気になる方は、投資へ前向きになりやすいでしょう。ただし通常の外国株は手数料がかかる点に注意です。
ジュニアNISAと合わせて、保護者本人のNISA用口座を作るうえでも便利です。ジュニアで年間80万円、保護者本人のNISA用口座で年間120万円の非課税枠を最長5年にわたり適用してもらえます。SBIはあらゆるサービスにおいて取引しやすい環境なので、ぜひご注目ください。
サービス充実の楽天証券
楽天証券はジュニアNISAでも充実したサービスを受けられます。国内株式に限り取引手数料無料で、カスタマーサービスもあるからです。オンラインセミナーやウェブメディアで金融の知識を積めるのも大きいでしょう。
楽天証券では、お子様に投資について学べる機会をもっていただくために、弊社経済研究所ファンドアナリストによるジュニアNISAのしくみについてのオンラインセミナーや、学校での特別授業、親子でご参加いただくセミナーなど開催しております。
引用元:楽天証券「ジュニアNISA」
楽天証券を利用するなら、国内株式を狙いましょう。何件買っても取引手数料が一切かからないからです。国内株のうち複数の企業に分散投資すれば、損失リスク軽減にも役立ちます。
ほかにもカスタマーサービスが見逃せません。ジュニアNISAに限らず、楽天証券の利用中にわからないことやトラブルがあった場合は、すぐに相談できるからです。疑問を早めに解決できる可能性があれば、安心してアクセスできるでしょう。
楽天証券では金融ウェブメディア「トウシル」やオンラインセミナーなどにより、自宅に居ながら情報を集められます。資産運用の成功のヒントが詰まっているのです。以上から楽天証券にはジュニアNISAを利用するうえで健全な環境が整っています。
投資信託保有でポイントが貯まるマネックス証券
マネックス証券にはジュニアNISAの投資信託保有でポイントが貯まるサービスがあります。ポイントを有効活用すれば、普段の生活でもお得感を覚えられるでしょう。手数料なしで取引できる選択肢も多いのが特徴です。
ジュニアNISAを通した投資信託でもらったポイントは、Amazonのギフト券に交換できます。これなら子どもや保護者へのごほうびに役立つでしょう。ほかに日本赤十字社への寄付も可能です。
マネックス証券なら、NISAで投資信託(※)を持っているだけで、様々な特典と交換できるマネックスポイントが貯まります。
引用元:マネックス証券「ジュニアNISA」
Amazonギフト券や日本赤十字社への寄付なら、1ポイントから利用可能。貯めたポイントを無駄なく活用できます。
(※)一部対象外となる銘柄があります。
手数料無料の選択肢が多いのも見逃せません。国内株式では取引手数料が、投資信託や投信つみたてでは申込手数料が無料です。また手数料無料の対象外ですが、不動産版の投資信託REITも含むなど、バラエティに富んだラインナップになります。
マネックス証券は取引手数料無料の選択肢だけでなく、ポイントがもらえるチャンスに注目です。資産運用は長期にわたることが多いですが、その間の金銭的な負担を減らせるでしょう。ポイントによるアドバンテージも合わせて、充実した投資生活を目指せます。
ジュニアNISAでの運用におすすめの銘柄
2022年1月時点で、ジュニアNISAにおけるおすすめの銘柄は以下のとおりです。
銘柄 | 購入可能である主な証券会社 |
---|---|
三菱UFJ国際「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」 | SBI証券、楽天証券など |
SBI「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」 | SBI証券、マネックス証券など |
ニッセイ「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド」 | SBI証券、楽天証券など |
三菱UFJ国際のeMAXISシリーズは、購入手数料無料のお得感で有名です。運用方針も資産ごとの指数に基づいた指標に連動する形なので、安定的な資産運用を望めます。投資の内訳も国内外の株だけでなく債権、REITなどバラエティに富んでいるので視野が広くなるでしょう。
SBIグループと世界的な運用会社のバンガードが合同で扱う「S&P500インデックス・ファンド」も、低コストかつ現実的な連動が特徴です。アメリカ市場の景気を表すS&P500指数の連動で好結果を目指します。そのため安定的に資産を増やしたい方におすすめでしょう。
ニッセイの外国債券インデックスファンドにも注目してください。外国債券はリスクをある程度抑えながらも、国内債券より金利が高いのが特徴です。そのため国内債券のファンドよりは高い利回りを期待できます。
ジュニアNISAにはさまざまな投資信託がありますが、以上のおすすめ銘柄を参考に、良質なものを選ぶとよいでしょう。
これからジュニアNISAに加入するには
ジュニアNISAへの加入には、決まった手順に従った手続きが必要です。加えて必要書類も決まっています。お子様と保護者では準備するものが異なるので、以下の詳細を確かめましょう。
手続きの流れ
ジュニアNISAの手続きの流れは以下のとおりです。ここではSBI証券の例による解説です。
STEP1 | 開設書類請求を申し込み、金融機関から受け取る |
---|---|
STEP2 | マイナンバーカードを用意のうえ、必要書類を返送する |
STEP3 | SBI証券が税務署へ開設申請 |
STEP4 | SBI証券からお客さまへの口座開設完了の連絡 |
ジュニアNISAに申し込むには、STEP1で申込書類を金融機関に請求しなければなりません。このとき未成年口座を持っていない場合は、それも合わせて申し込むことになります。
口座開設には名義人として未成年者のマイナンバーカードが必要です。通知カードの方ならこれに加えて、本人確認書類を要します。顔写真つきなら1点だけですが、そうでないものを送る場合は2点用意しなければなりません。個人番号カードとしてのマイナンバーカードを出すなら、表裏両面のコピーを送りましょう。
マイナンバーは社会保障や税金などの分野で活用するため、住民票を持つすべての方に通知される番号です。
引用元:SBI証券「マイナンバー制度」
SBI証券では、お客さまに代わり、特定口座の税金の計算や納付、法律で定められている各種支払調書等の交付を税務署に行っています。
法令により、お客さまには、SBI証券にマイナンバーをご提示いただく必要があります。
また、2016/1/1以降、NISA口座やジュニアNISA口座、特定口座の開設には、マイナンバーが必要となっております。
ここまで済めば、SBI証券が口座開設を税務署に申請し、認められれば開設完了になります。
準備すべき書類
準備すべき書類は、お子様と保護者で異なります。正確に揃えないと手続きの不備としてジュニアNISA口座を開設できません。特にマイナンバーカードは保護者ではなく、お子様のほうが必要ですが、このあたりで誤解してしまう方が多いようです。お子様と保護者に分けて、用意すべき書類をまとめました。
お子様
お子様の分として必要な書類は以下の2種類です。
種類 | 備考 |
---|---|
マイナンバーカード | 個人番号型や通知型など複数のタイプがあるので、1種類を決める |
本人確認書類 | 健康保険証など |
マイナンバーカードは保護者ではなく、お子様の分が必要です。ジュニアNISAでは口座管理のメインは保護者ですが、お子様のマイナンバーカードがないと申し込めません。勘違いしないように注意してください。
本人確認書類は子どもの場合、保険証が代表例です。保護者も必要になりますが、子どもの分も用意しておきましょう。以上が揃って初めて、お子様名義のジュニアNISA口座を申し込めます。
保護者
保護者のほうでは以下の必要書類を準備しましょう。
種類 | 備考 |
---|---|
お子様と親権者の関係を証明できる住民票のコピー | |
本人確認書類 | 運転免許証や健康保険証など |
親子関係を証明できる住民票のコピーが必要です。このために市役所から取り寄せなければなりません。住民票に関してマイナンバー入りかどうかは、特に気にしなくてもよいでしょう。
大人が持つ本人確認書類は健康保険証に加え、運転免許証も対象に入ります。いずれか1種類のコピーを送付用の封筒に収めてください。お子様の分と合わせて、不備がないように気をつけましょう。
ジュニアNISAで子どもにお金を残せるチャンス
ジュニアNISAは、子どもの将来の教育を見据えた資産運用制度です。新規投資額にして年間80万円、最長5年まで非課税であるなど、独自のメリットがあります。しかし金融機関の変更や18歳までの出金不可などの制約にも注意しましょう。
従来のNISAとは違ったルールですが、子どもに多くのお金を残せるチャンスです。今回の記事をきっかけに、加入を考えてみませんか。
ジュニアNISAに関するQ&A
Q. ジュニアNISAとは何ですか?
ジュニアNISAは未成年者向けの少額投資非課税制度です。証券会社に専用口座を開かなければ始められません。そのときの口座の名義人は0歳〜19歳の日本在住の子どもで、管理は保護者がメインになります。
新規投資額にして毎年80万円までが非課税対象です。その状況が最長で5年続くので実質的に総額400万円までが非課税の範囲内になります。国内外の株式や投資信託、ETFなどから好きなものに投資し、結果がよければ資産を増やせるしくみです。
ジュニアNISAの目的は、子どもを優れた学校に通わせたり、留学させたりするための資金を増やすことです。非課税制度を味方につけて、効率的に資産運用を進めるチャンスになります。興味があれば、ぜひ申し込むとよいでしょう。
Q. ジュニアNISA専用口座を開設できる条件は?
口座名義人が日本在住で0歳〜19歳の子どもでなければなりません。管理は保護者や祖父母のような大人がメインになりますが、名義人はあくまでも子どもであることに注意しましょう。
そのため申請時も子どものマイナンバーカードが必要です。ほかにも親子関係を示した住民票など、家族関係を証明できなければなりません。書類の不備を避けるため正確に揃えましょう。
Q.ジュニアNISAで未成年者の代わりに運用管理する親権者等に制限はある?
ジュニアNISAでは子どもから見て二親等以内の親族が親権者等にあたります。一般的には子どもから見た親や祖父母などが、代わりに口座を管理できるしくみです。
口座の名義人は子どもでなければいけません。しかし子どもはお金の管理に慣れていないため、大人が代わりに務めるのが原則です。子どものためにも親の管理責任が問われます。
Q. ジュニアNISA口座で金融機関は替えられる?
ジュニアNISA口座で、金融機関の変更は認められていません。そのため加入後に合わないとわかっていても、しばらくそれを使い続けなければいけないのです。金融機関の選定を間違えないように注意しましょう。
一般的なNISAでは、年一回のみ金融機関の変更が認められています。加入後に機関のサービスが自身に合わないとわかったときに、チェンジが利くのです。しかしジュニアNISAではそれが不可能なので、金融機関を慎重に選ぶ必要があります。
ポイントは金融機関同士の比較検討です。目当ての金融商品の存在や手数料の安さ、サポート体制の充実などから総合的に判断しましょう。さまざま要素を比べたうえで、後悔しない金融機関を決めてください。
Q.口座開設はまだできる?
2022年1月時点では、ジュニアNISA専用の口座開設はまだ可能です。ただし2023年末を過ぎると新規口座開設ができません。そのときになると制度自体が終わるからです。2024年になると、NISA自体が新たな制度を迎えます。
ただし2023年を過ぎても、そのときまでに開設したジュニアNISA口座は、最長5年まで運用可能です。金融商品の新規購入はできませんが、残された商品は持ち続けられます。しかし2024年以降のジュニアNISA口座も、非課税期間がいつか終わりを迎えます。そのときを迎えたら、早めに金融商品の処理を考えましょう。